ブログ|株式会社タイシン工業

オフィシャルブログ

DX推進の方針・戦略・体制

1. 経営ビジョンとDXの位置づけ

タイシン工業は、
「建設業で人材育成の基準をつくるリーダー企業」
になることをビジョンとしている。

人口減少、技術者不足、長時間労働、安全衛生、環境対応など、建設業を取り巻く環境は大きく変化している。
同時に、クラウドや生成AIなどデジタル技術の進化により、現場の見える化や働き方改革、生産性向上のチャンスも広がっている。

当社は、こうした 社会・競争環境の変化をリスクと機会の両面 から捉え、
現場・管理・経営・人材育成をデータでつなぐことで、

現場の安全と品質を高める

社員と協力会社の働き方を改善する

建設業を若者が憧れる業界に変えていく

ことをDXの目的としている。

2. DX戦略の全体像
2-1. 既存ビジネスの強化・改善

タイシン工業のDXは、まず「今ある事業を強くすること」に軸足を置く。

出面・原価・売上・粗利を日次で把握できる仕組みの構築

現場管理表、年間収支表などのスプレッドシートをMicrosoft 365上で一元管理

現場ごとの利益率を見える化し、赤字兆候を早期に発見

協力会社への支払・請求フローのデジタル化によるミス削減

これにより、「月末まで粗利がわからないストレス」からの解放 と、
管理職が数字を意識した現場運営を行える体制を整えている。

2-2. 将来のビジネスモデル変革

中長期的には、以下のような変革を見据えている。

協力会社向けポータルサイトによる情報共有・安全教育・請求連携

人材育成・マネジメントのノウハウを活かした教育サービスの展開

データに基づく工事原価・生産性分析により、元請・協力会社双方の利益を高める仕組みづくり

DXは、当社の経営方針転換や新拠点展開にも耐えられる柔軟なビジネスモデルを支える基盤として位置づけている。

3. 社会・業界課題への貢献

当社のDXは、自社の効率化にとどまらず、次のような社会・業界課題の解決にも貢献することを目指す。

若手が成長しやすい教育環境の整備

現場の安全管理・労働時間管理のデータ化による事故・過労の未然防止

協力会社と一緒に使える仕組みにすることで、業界全体の生産性と品質を底上げ

将来的には、協力会社ポータルや研修コンテンツの共有等を通じて、
「育成を学ぶならタイシン」 と言われる存在を目指す。

4. データ活用・データガバナンス・連携方針
4-1. 経営陣のデータ活用スタンス

経営陣はデータを重要な経営資産と位置づけ、

現場別・元請別の粗利

拠点別・年度別の収支

協力会社別の取引状況

などをもとに意思決定を行う。
「感覚ではなく数字で語る」ことを基本姿勢としている。

4-2. データの発掘・整理・管理

以下のようなデータ基盤を整備・統合中である。

出面表・現場管理表・変動損益計算書・年間収支表等をMicrosoft 365上で一元管理

現場単位・担当者単位・元請単位で粗利や生産性を集計

協力会社・仕入先の請求情報を月次・年次で集計

名刺管理システム SANSAN による顧客・関係者データの整理

今後、これらをさらに整理し、データガバナンス方針を明文化 するとともに、
必要に応じてサプライチェーンとのデータ連携を強化していく。

5. DX推進体制・組織・役割・権限

DX推進責任者(CIO相当):代表取締役 櫻田

DX実行責任者:相模原支店長 水越(情報セキュリティマネジメント・ITパスポート保持)

DX推進部署:管理部(経営企画・総務・情報システム機能を兼務)

現場リーダー:各現場管理者(出面・原価データの入力と活用を担当)

外部アドバイザー:株式会社フォーバル(IT環境整備・セキュリティ・DXロードマップ支援)

DX推進責任者は、経営会議・幹部会においてDXに関する方針決定を行い、
DX実行責任者は日常オペレーションと施策の進捗管理を担う。

各人が主体的に動けるよう、

現場管理者にはデータ入力・活用の権限と責任を付与

管理部にはシステム選定・運用ルール策定の権限を付与

DX施策に関わる提案については、現場からも直接経営陣に提案できるルートを確保

している。

6. DX投資・予算・意思決定方針

DX関連の投資は、従来のIT保守費とは別枠で管理し、

クラウド利用料・セキュリティ対策費

生成AI・自動化ツールの導入費

人材育成・研修費用

外部アドバイザーへの支払

などを中期計画に計上している。

投資判断においては、短期的な定量ROIだけでなく、
「情報の見える化」「ミス削減」「働き方改善」「人材育成」などの定性的な効果 も重視し、
DXに投じる資金を経営にとって必須の投資と位置づけている。

7. ITシステム環境・サイバーセキュリティ方針
7-1. 主なITシステム

Microsoft 365(メール、Teams、SharePoint 等)

サクサ ファイルサーバー(社内ファイルの集中管理)

サクサ UTM(外部からの脅威対策)

TIFRONT セキュリティ HUB(エンドポイント保護・ゼロトラストの実装)

名刺管理:SANSAN

7-2. セキュリティ方針

全社員に情報セキュリティ教育を実施し、パスワード管理・メール運用等の基本ルールを徹底

UTM・エンドポイント保護・ファイルサーバー権限管理による多層防御

フォーバルによる外部診断・アドバイスを受け、継続的な改善を実施

情報セキュリティマネジメント有資格者を中心に、社内のセキュリティ窓口を整備

8. DX指標・ロードマップ・公表
8-1. DX指標

DX戦略の達成度を測るため、次の指標を設定する。

日次で粗利を把握できている現場の割合

出面・原価データの入力率(全現場のうち日次入力ができている割合)

管理職の粗利・原価理解度(年1回のテスト・アンケートによるスコア)

月次決算の締め完了日(前年対比の前倒し日数)

8-2. ロードマップと公表

これらの指標を毎年モニタリングし、
経営計画書および本DXページ、協力会社向け資料などを通じて公表する。
中期的には、

日次粗利把握率の高水準化

入力率とデータ精度の向上

決算締めの前倒し

を目標としている。

DX指標の進捗は、毎月の経営会議および四半期ごとの幹部会で確認し、
達成状況・課題・改善施策を整理するレビューサイクルを運用している。

このレビュー結果は、本DXページに適宜反映し、
戦略の見直しを継続的に行っている。

また、DXの推進に伴うリスク管理として、
外部専門機関によるセキュリティ診断(第三者監査)を継続的に実施し、
情報資産の保護体制を強化している。

サイバー攻撃やシステム障害に備えた事業継続計画(BCP)を策定し、
経営陣を含めた緊急時対応訓練を定期的に実施している。

これらの結果は、DX戦略の年次見直しに反映され、
再レガシー化の防止およびセキュリティレベル向上につなげている。

9. DX人材の定義・育成・確保
9-1. 必要なDX人材像

タイシン工業では、DX推進に必要な人材を次の3層で定義している。

基礎デジタル人材

メール・クラウド・出面システムを問題なく使いこなし、自分の業務をデジタルで管理できる社員

実務DX人材

スプレッドシートやMicrosoft 365を使って集計・自動化ができ、現場や部門の改善をリードできる社員

DX推進人材

経営視点でデータを読み解き、生成AIなど最新技術を含めてDX施策を企画・推進できる社員

9-2. 育成・確保の取組

ITパスポート・情報セキュリティマネジメント等の資格取得支援

管理職向けの粗利・原価・データ理解研修

生成AIやOfficeツールの活用トレーニング

中途採用におけるデジタルスキルの重視

フォーバル等の外部パートナーを活用した勉強会・伴走支援

今後は、デジタルスキル標準も参考にしながら、
社員のスキルマップを可視化し、DX人材の計画的育成 を進めていく。

10. 人事制度・配置・キャリア形成支援

デジタルスキルやDXへの貢献度を評価・昇格に反映していく方針を明示

資格取得やDXプロジェクトへの参画を評価項目に組み込み、対象者には役割拡大・配置転換の機会を付与

管理部やDX関連業務に、デジタル適性の高い社員を優先的に配置

社員の希望や適性に応じて、現場→管理部、現場→DXプロジェクトなどのキャリアパスを用意

これらを通じて、社員が 「自分のキャリアを自律的に選び取れる」 状態を目指す。

11. 組織文化・行動指針

DXを支える企業文化として、次のような行動を重視する。

主観ではなく、数字と事実で話す

「入力が面倒」ではなく、「入力しやすい仕組みを自分たちで作る」

失敗を責めるのではなく、小さく試して学ぶ姿勢を評価する

紙よりもデジタルを優先し、二重管理を減らす

現場からの改善提案を歓迎し、DXの題材として取り上げる

この行動指針は、経営計画書・社内会議・面談等を通じて繰り返し発信していく。

12. 外部連携・企業間連携

株式会社フォーバルとの連携によるセキュリティ・DX推進支援

元請企業・協力会社との情報共有・原価管理の標準化に向けた取り組み

将来的には、協力会社ポータルを通じて安全教育・工事情報・請求情報を一元管理し、
業界全体の生産性向上・労働環境改善に貢献することを目指す。

13. 最新デジタル技術(生成AI等)の活用

タイシン工業では、生成AIを現場の実務に落とし込むことに取り組んでいる。

社内文書・マニュアル・研修資料の作成支援

スプレッドシートやMicrosoft 365の自動化・関数設計の補助

DXプロジェクトのアイデア出し・たたき台作成

社長自身が先頭に立って生成AIを活用し、その実例を社員に共有

今後も、安全性と生産性を両立させながら、
最新技術を 「現場が使える形」 に落とし込んでいく。

14. ガバナンスと経営者コミットメント

経営会議・幹部ミーティングにおいて、DXの進捗・課題・最新技術情報を定期的に共有

経営者自らがDXページやブログ等でメッセージを発信し、社内外にコミットメントを示す

外部環境や技術動向の変化に応じて、DX戦略・体制・指標を見直し続ける

DXは一度のプロジェクトではなく、
「会社の動き方そのものを変えていく長期的な取り組み」 と位置づけている。

15. 経営者メッセージ

タイシン工業にとってDXは、
現場を監視するための仕組みではなく、 人が育ち、現場が楽になり、会社が強くなるための基盤 である。

私は、建設業で働く人たちが
胸を張って「この仕事が好きだ」と言える環境をつくりたい。

そのために、これからも
現場の声とデジタルの力を組み合わせながら、
タイシン工業らしいDXを愚直に進めていく。

「FACTORY LEADERS 2025」に株式会社タイシン工業が掲載されました

このたび、製造・建設業界で活躍するリーダーの思想や人づくりを紹介する
FACTORY LEADERS 2025 に、株式会社タイシン工業 代表・櫻田のインタビュー記事が掲載されました。

本特集は、変化の大きい製造・建設業界の中で、
“現場を支え、次の時代に向けて挑戦を続ける企業・リーダー”
に焦点を当てた企画です。

タイシン工業として取り組んできた
若い世代が働きやすい業界づくり、協力会社とのパートナーシップ、人が育つ組織づくり
が、外部の専門機関から評価いただけたことを大変光栄に思います。


■ 掲載内容の一部(抜粋)

今回の記事では、以下のテーマについてご紹介いただいています。

  • タイシン工業が掲げる「建設業を若者が憧れる業界に」というビジョン

  • 協力会社と共存するためのパートナーシップ戦略

  • TSホールディングスとの連携による地域建設業のスケール化

  • 現場力を支える“人づくり”の考え方

  • 高い専門性と柔軟な発想を両立させる組織文化づくり

どれも弊社が日々大切にしている取り組みであり、
“タイシン工業がどのような企業を目指しているか” を知っていただける内容となっています。


■ 掲載ページのご案内

🔗 タイシン工業 掲載ページ
https://factory-leaders.com/posts/taishinkogyo

🔗 FACTORY LEADERS 2025 特設サイト
https://factory-leaders.com/

ぜひご覧いただければ幸いです。


■ 最後に

今回の掲載は、現場で力を尽くしてくださる協力会社の皆様、
そして共に挑戦を続ける社員一人ひとりの努力によって実現したものです。

タイシン工業はこれからも、
“人が育ち、誇りを持って働ける建設業界づくり” に向けて、
誠実に挑戦を続けてまいります。

引き続き、皆様のご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

タイシン工業のよもやま話~雑学講座24~

皆さんこんにちは!
株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

風は見えないからこそ“図面と言葉”が命。 ダクトは抵抗を制御し、騒音とリークを抑え、保温で熱損失を防ぐのが基本です。ここでは等圧損法を軸に、現場数値の“合理的な範囲”を示します。

 

1|設計の流れ
1) 風量配分(室負荷→吹出温度から算出)
2) 幹線径決定(等圧損の目安:0.8–1.2 Pa/m)
3) 分岐・枝管(速度低減:幹線5–7 m/s、枝管3–5 m/s、吹出口直前2–3 m/s)
4) 局部抵抗(エルボ/分岐/T/ダンパ)を係数で加算
5) 送風機静圧を決定し余裕10–15%

 

2|騒音と振動
• 速度音を抑えるため、会議室/客室は枝管速度低めに。
• 送風機は防振架台+フレキ。サイレンサ/吸音内張りは圧損増とのトレード。

 

3|リークと保温
• 継手は気密グレードを指定、シール材は温湿度に適合。
• 冷房主ダクトは結露防止の断熱厚を算定。吊り金具の熱橋もケア。
4|ダンパとバランシング⚖️
• 支管にVAV/ダンパを設け、TAB(試運転調整)で実流量を合わせる。
• CO₂/在室で風量可変にする場合、最低風量を握ってドラフト/快適性を維持。

 

5|施工ディテール
• エルボは大曲率(R/D≥1.25)、分岐は同圧設計。点検口はコイル/加熱器前後に。
• 天井懐が厳しければ扁平ダクト+圧損再計算。

 

6|NG→是正→
• NG:幹線速度が速すぎて騒音。→ 是正:断面UP+送風機静圧見直し。
• NG:断熱不足で結露。→ 是正:露点計算+金具熱橋の絶縁。

 

7|まとめ
ダクトは“抵抗と音の管理”。等圧損→速度階層→保温→TABの順で、静かに無駄なく送る。次回は配管設計へ。

 

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タイシン工業のよもやま話~雑学講座23~

皆さんこんにちは!
株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

熱源は建物の心臓。効率・冗長・音・設置条件・水処理・霜取り…現場で効く視点を“チェックリスト化”します。

 

1|空冷チラー vs 水冷チラー
• 空冷:屋外置きで工期短・水処理不要。低外気温の除霜が性能に影響。屋上荷重・騒音に注意。
• 水冷:冷却塔+水処理が必要だが部分負荷効率◎、外気条件の影響が小さい。機械室必須。

 

2|ヒートポンプ(HP)とボイラの棲み分け♨️
• HP:中低温(45–55℃)の低炭素・高効率。放射暖房/空調再熱に相性良。
• ボイラ:高温水/蒸気や急速負荷が求められる用途で活躍。排熱回収・段焚で効率向上。

 

3|GHP(ガスヒートポンプ)
• 電力ピーク抑制・停電対応の選択肢。排熱利用の給湯連携が強み。機械室換気・排気経路の計画を忘れずに。

 

4|選定KPIと設計要点
• 部分負荷効率(IPLV/NPLV)を重視。実運用の50–70%負荷帯で強い機種を。
• N+1冗長、二重電源や非常時の手動運転確保。
• 水質/水処理:腐食・スケール・スライムの三点管理。ドレン/ブロー排水の処理経路。
• 騒音/振動:屋上・地上での防振/遮音、近隣影響の評価。
• 霜取り対策:空冷HPは化粧時間(デフロスト時間)を短く、複数台交互で能力落ちを緩和。

 

5|更新とLCC(ライフサイクルコスト)
初期費×(耐用年数/更新周期)+電力/ガス/水処理+保守工数でLCC評価。部品供給年限も確認。

 

6|NG→是正→
• NG:定格COPだけで決める。→ 是正:部分負荷効率と冬の霜取りをシミュレーション。
• NG:水処理ノープラン。→ 是正:補給水品質→処理方式→年次点検を仕様書に。

 

7|まとめ
熱源は“部分負荷×保守性”。N+1・水処理・騒音・霜取りを最初に詰めれば、運用で困らない。次回は送風とダクトへ。

 

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タイシン工業のよもやま話~雑学講座22~

皆さんこんにちは!
株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

空調方式は快適・省エネ・工期・コスト・保守の“5辺形”のなかで最適点を探す作業です。ここでは代表的な個別(ルーム/パッケージ)・セントラル(AHU+チラー/ボイラ)・VRF(可変冷媒流量)の長短と、建物条件別の決め方を“判断フロー”でまとめます。🧭

 

1|各方式の特徴と向き不向き🧠
• 個別(ルーム/パッケージ)
o 🎯強み:導入コスト低・工期短・独立ゾーンの柔軟運転。小規模テナント/改修に最適。
o ⚠️注意:室外機置場・景観・外気処理の弱さ。台数増で保守点数↑。
• VRF(可変冷媒流量)
o 🎯強み:部分負荷効率・同時加熱冷房・細やかなゾーニング。改修でも配管径細く躯体影響小。
o ⚠️注意:冷媒量・漏えい時の安全設計、長距離配管の制約、メーカー専用部材依存。
• セントラル(AHU+チラー/ボイラ)
o 🎯強み:外気処理・大空間・長寿命・拡張性。熱源集約でBEMS最適化が効く。
o ⚠️注意:初期費用と機械室/配管スペース、バランシングと運転要員の熟練度。

 

2|判断フロー(簡易)🧾
1) 用途/規模:1000㎡未満・テナント分割多→VRF/個別を先に検討。1000㎡超・外気多→セントラル軸。
2) 外気負荷:人密度高/CO₂目標厳しめ→専用外気処理機+再熱が必要→セントラル優位。
3) 改修制約:シャフト不足/天井懐薄→VRF。機械室確保可・寿命20年超狙い→チラー。
4) 運用:24/365稼働・冗長要→N+1や多台数分散設計。夜間/休日偏在→個別/VRFの止めやすさが利点。

 

3|コストと省エネの見方💴⚡️
• CAPEX:機器+ダクト/配管+電源+構造。VRFは配管細い分ダクト費↓だが室内機台数が増えると逆転も。
• OPEX:部分負荷効率・清掃/フィルタ・水処理・更新サイクル。チラーは冷却塔/水処理の固定費が乗るが長寿命。
• KPI:kWh/㎡・ピーク電力・外気処理COP・再熱量・メンテ工数。

 

4|外気処理は別腹🍃
どの方式でも外気処理は設計の要。深冷却→再熱を前提に、全熱交換器+外気処理機(DOAS)を分離配置すると、室内側の制御が安定します。

 

5|冗長化・保守・更新♻️
• N+1(熱源/ポンプ/送風機)と多系統化で止めない。フィルタ/ベルト交換・コイル洗浄の作業性を図面で担保。
• 更新時は段階更新(階ごと/系統ごと)ができるレイアウトが◎。

 

6|NG→是正🙅→🙆
• NG:方式を“相場”で決める。→ 是正:外気・用途・改修制約・運用KPIの4項で比較表。
• NG:外気処理を室内機頼み。→ 是正:DOAS分離+再熱で湿度を握る。

 

7|まとめ🌈
方式選定は“建物×運用”の掛け算。外気/規模/改修/運用の4キーでふるいにかけ、冗長化と保守性で最後に決める。次回は熱源機の選び方へ。🔥

 

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タイシン工業のよもやま話~雑学講座21~

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株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

空気線図が“質”なら、負荷計算は“量”。どれだけの冷房・暖房・加湿・除湿が必要なのか——外皮(日射・熱貫流)、内部(人・照明・機器)、換気、浸入外気を足し合わせ、時刻別にプロットしてピークを見極めます。本回は考え方→式→落とし穴→実務の近道の順で整理します。📐

 

1|負荷の構成🧱
• 外皮負荷:窓・壁・屋根・床から出入りする熱。U値とΔT(外気-室内)で概算。窓は日射熱取得係数(η)が支配的。
• 内部負荷:人(顕熱+潜熱)・照明・機器。稼働スケジュールが命。
• 換気負荷:必要外気量に伴う顕熱/潜熱。夏は潜熱、冬は顕熱が重い。
• 浸入外気:隙間風・扉開閉。気密・風圧差・スタック効果に依存。

 

2|窓と日射の“インパクト”☀️
• 同じ室でも方位で負荷は別物。西日は短時間に高ピーク、南は持続、北は拡散光。
• ブラインド/ルーバの遮蔽係数で実効ηを下げると、機器容量を落とせる。室内側遮蔽より外付けが効く。🕶️

 

3|内部発熱のリアル🧑‍🤝‍🧑💻
• 人の顕熱/潜熱は活動で変わる。会議室は潜熱寄り、オフィスはPCと照明で顕熱寄り。
• 待機電力の積み上げを忘れがち。24h機器(サーバ/冷蔵庫)は夜間のベース負荷を作る。

 

4|換気負荷とCO₂📦
• 必要換気量は人員×外気量/人またはCO₂目標値で設定。外気が高温多湿なら全熱交換器や外気処理機を用意。
• 扉の開閉が多い用途(店舗/飲食)は浸入外気が支配的。風除室やエアカーテンで侵入潜熱を削る。

 

5|時間軸で見る⌛️
• ピーク同時性:西面窓と会議室のピークが重なると冷房容量は跳ねる。用途別ピークのズレを作る設計(ゾーニング)が省エネに効く。
• 熱容量:RC造は遅れが大きく、日中ピークを夜間にずらせる。ナイトパージと相性◎。

 

6|概算の“速い式”⚡️
• 外皮顕熱:Σ(U×A)×ΔT
• 日射:A×η×日射強度×遮蔽係数
• 内部:人×(顕熱+潜熱)+照明×W+機器×W
• 換気顕熱:1.2×V×ΔT(V[m³/s])/換気潜熱:0.68×V×ΔX(ΔX[g/kg]) > まずは概算で“効いている要素”を見つけ、詳細計算へ進むのが時短のコツ。⏱️

 

7|落とし穴と是正🕳️→🛠️
• 窓面積を侮る:設計終盤で機器容量が増え、ダクト/配管も太り天井が納まらない。→初期に遮蔽とガラス仕様を確定。
• 人員想定が甘い:オフィスのフリーアドレスで密度が日によって倍。→CO₂制御/VAVで変動対応。
• 換気“増し過ぎ”:感染症対策で常時最大外気→冬の乾燥/ドラフト。→時間帯/CO₂連動+二次加熱。

 

8|チェックリスト✅
☐ 方位・ガラス仕様・遮蔽の組み合わせを検討した
☐ 人・照明・機器のスケジュールを載せた
☐ 換気量はCO₂/用途要件の両面で根拠を持つ
☐ ピーク同時性と遅れを図で説明できる

 

9|まとめ🌈
負荷計算は“どこに効いているか”を見抜く作業。窓・人・換気・時間の4点を押さえれば、過大容量を避けつつ快適を守る道筋が見えます。次回は方式選定(個別/セントラル/VRF/チラー)へ。🧩

 

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🌍【お知らせ】ESGマーク認証(ブロンズ)を取得しました!

株式会社タイシン工業は、このたび**「ESGマーク認証(ブロンズ)」**を取得いたしました。

ESGとは、
E=環境(Environment)
S=社会(Social)
G=ガバナンス(Governance)
の3つの観点から企業を評価する国際的な基準のことです。
これは単なる“環境活動”ではなく、企業として社会的責任を果たし、持続可能な成長を目指しているかを問う指標です。


🏗 タイシン工業のESGへの取り組み

私たちは建設業という「インフラを支える業界」において、
**「人」「環境」「地域」すべてに優しい企業経営」**を目指してきました。

具体的には──

  • 環境(E):フロンガス回収・適正処理、リサイクル資源の推進

  • 社会(S):職人・社員の安全教育、若手育成、女性活躍推進

  • ガバナンス(G):協力会社との公正な取引、法令遵守の徹底

これらの取り組みが評価され、今回のESGマーク ブロンズ認証につながりました。


💬 代表メッセージ

「タイシン工業は、ただ設備を作るだけの会社ではありません。
環境や社会、そして“人”に優しい経営を行うことが、
これからの建設業のスタンダードだと考えています。」

ESG認証の取得は、ゴールではなくスタートです。
今後もより高い評価を目指し、ESG経営の実践を続けてまいります。


🏢 株式会社タイシン工業
横浜市に本社を構える空調・換気・衛生設備の専門会社。
現場の安全・品質・環境配慮を重視し、持続可能な建設業の未来を創造します。

【ご報告】株式会社タイシン工業が「2025年度 SMB Growth企業賞 空調設備部門」を受賞しました!

株式会社タイシン工業は、このたび 「2025年度 SMB Growth企業賞 空調設備部門」 を受賞いたしました。
市場調査・分析を行う 一般社団法人企業価値調査機構 より、成長性や革新性、事業の持続可能性などが高く評価された結果です。


🏆 SMB Growth企業賞とは?

SMB Growth企業賞は、中小〜中堅企業(SMB:Small to Medium Business)を対象に、
成長性・地域貢献・社員環境など多角的な視点で評価し、特に優れた取り組みを行う企業を表彰する制度です。

タイシン工業は「空調設備部門」での受賞となり、これまでの施工品質・安全管理・人材育成への取り組みが高く認められました。


💬 代表取締役 櫻田 泰 コメント

「今回の受賞は、日頃から共に汗を流してくださる社員・協力会社の皆さま、そしてお客様のおかげです。
当社は『空調・換気・衛生配管のプロフェッショナル集団』として、業界の安全・品質の標準化と、若手育成に一層取り組んでまいります。」


🌱 今後の展望

  • 現場のさらなる 安全・品質の徹底

  • 若手社員や職人の 育成環境の整備

  • 地域社会・業界全体への 持続的な貢献

今回の受賞を一つの節目とし、引き続き「信頼される施工会社」を目指して邁進してまいります。


📌 詳細は下記ページをご覧ください
👉 株式会社タイシン工業 受賞ページ

タイシン工業のよもやま話~雑学講座20~

皆さんこんにちは!
株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

空調は空気の温度と湿度を移動させる仕事。空気線図(サイコロメトリックチャート)は、その移動を“絵”で表します。線図が読めれば、除湿に再熱が要る理由や夏の外気処理の難しさが直感で分かるようになります。ここでは軸と線→状態点→プロセスの順に習得し、最後に設計あるあるをケースで解説します。✍️

 

1|空気線図の“地形”を覚える
• 横軸:乾球温度、縦軸:絶対湿度(g/kgDA)。
• 曲線:相対湿度線、斜線:エンタルピ線、右上へ凸:露点温度線、左上へ緩やか:比容積線。

 

• 飽和曲線(上端)は露点・湿球・エンタルピが交差する“海岸線”。

 

2|3つの基本プロセス
• 顕熱変化:湿度一定で温度だけ上下(線は水平)。暖房/冷却コイルの“表面温度が露点より高い”とき。
• 潜熱変化:温度ほぼ一定で湿度が上下(線は垂直)。加湿・除湿。
• 混合:2点を結ぶ直線上の比に応じ、中点に移動(外気と還気のミックス)。

 

3|コイル冷却で何が起きている?
• 冷却+除湿は、線図では右上→左下へ斜め。コイル表面温度が露点以下だと結露し、潜熱も処理。
• バイパスファクタ(BF):空気の一部がコイルを素通りする度合い。BFが小さいほど深く冷える/乾く。設計では表面温度・風量・コイル列数で調整。
• 再熱:深冷却で湿度を下げた空気を温度だけ上げ直す操作(左→右へ水平)。夏の過除湿対策に必須。

 

4|外気処理の難しさ
• 外気は温度も湿度も高い(夏)or温度低く乾燥(冬)。顕熱と潜熱の両面を同時にさばく必要があり、全熱交換器(回転/静止)や除湿ロータの選定が効く。
• 顕熱比(SHR):顕熱/(顕熱+潜熱)。人が多い部屋はSHRが小さく、除湿寄りの機器が必要。

 

5|プロセスの描き方✏️
1) 設計外気点・室内設計点を決め、線図にプロット。
2) 混合比(外気率)で還気点と直線混合。
3) コイル出口(露点/表面温度・BF)を仮置きし、再熱の要否を判断。
4) 送風温度から必要風量を試算(Q=1.2×V×ΔT〈概算〉)。
6|ケース:会議室がムワッとする理由
• 人の潜熱(呼気/発汗)が急増。SHR低下→温度は下がるのにRHが60–70%へ。
• 対策:外気処理機で深冷却→再熱、もしくは再熱コイルで湿度側を優先。席数に応じて外気量/CO₂制御を導入。

 

7|「線図が読める」運用⚙️
• 吹出温度を変えると風量がどう変わるか、RHがどこへ動くかを線図で“予見”。
• 結露・カビの予兆(表面温度が露点を下回る)を外皮/ダクトで点検。

 

8|チェックリスト✅
☐ 室内点と外気点を線図に同時表示したか
☐ 混合点とコイル出口を根拠ある数値で置いたか
☐ 再熱の必要性をSHRで説明できるか

 

9|まとめ
空気線図は“空気を設計する紙”。顕熱/潜熱/混合の三角形を使いこなせば、除湿・再熱・外気処理の勘所が一気に見えてきます。次回は負荷計算。線図に載せる“量”を、建物から正しく読み取ります。

 

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タイシン工業のよもやま話~雑学講座19~

皆さんこんにちは!
株式会社タイシン工業、更新担当の中西です。

 

「涼しい」「寒い」「ムワッとする」——感覚の言葉を設計と運用の言語に翻訳するのが空調の出発点です。最初に押さえるべきは、快適の定義とその測り方。ここではPMV/PPD、作用温度(OT)、気流、湿度、放射、着衣量、代謝量をつなげて、設計→施工→運用の共通言語をつくります。📚

 

1|“快適”を定義する7つの変数🧩
• 気温(Ta):温度計で測る“空気の温度”。
• 放射温度(Tr):壁・窓・天井など周囲表面の平均放射温度。
• 作用温度(OT):TaとTrの加重平均。ドラフト(気流)が小さいとOT≒体感温度。
• 相対湿度(RH):汗の蒸発効率とカビ/ウイルスの生存に影響。
• 気流速度(Va):0.1〜0.3m/sの微風は夏の快適に寄与。過大だとドラフト不快。
• 着衣量(Clo):夏0.5、冬1.0が目安。制服/ドレスコードで変わる。
• 代謝量(Met):座位1.0、軽作業1.2〜1.6。オフィスと厨房では“正解温度”が違う理由。💼🍳

 

2|PMV/PPDで合意形成📈
• PMV(Predicted Mean Vote)は−3(寒い)〜+3(暑い)の平均予測。−0.5〜+0.5に納めるのが一般的。
• PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)は不満率。PMV=0でもPPD=5%は残る——“100%の満足はない”ことを前提に、設計目標を現実的に置くのがプロ。🙆
• 使い方:設計段階でClo/Metの想定を明記→施工後に実測(Ta/Tr/RH/Va)→PMVを逆算し、差異があれば運用で調整(風量/吹出温度/スケジュール)。

 

3|夏と冬の“正解”は違う🌞❄️
• 夏:やや低めのOT+気流0.2〜0.3m/sで蒸発冷却を後押し。湿度50–60%目安。
• 冬:放射の偏り(窓際の冷放射)を減らすのが鍵。足元温度とドラフト抑制が快適のコア。湿度40–50%で喉/静電気対策。

 

4|気流と吹出の“失敗あるある”🌀
• 顔に直撃:吹出口の投射距離とコアンダ効果無視で発生。→天井面沿いに流して拡散。
• 足元が寒い:冬の過大な換気量や過低温度吹出が原因。二次加熱やVAV制御で改善。
• 会議室のムワッ:人が増えると潜熱負荷(湿気)が急上昇。除湿能力の確保や再熱設計が効く。💧

 

5|“感じ”を数値にする測定🧪
• 黒球温度計で放射を含む温熱環境を把握。
• アネモメータで微風速を測定、0.1m/sの差が快適を分けることも。
• データの見せ方:ダッシュボードでPMV/PPD/OT/RH/Vaを可視化。体感アンケートと並べると運用改善の議論が進む。

 

6|“快適=省エネ”にする運用⚡️
• 人に合わせる:在室/予約/CO₂連動で必要な時だけ空調。
• 場所に合わせる:ゾーニング×VAVで使っている場所に風と冷温を集中。
• 時間に合わせる:予冷/予熱とナイトパージの合わせ技。

 

7|チェックリスト✅
☐ 用途別にClo/Metを定義したか
☐ 設計条件のOT/PMVを明記したか
☐ 吹出方向/投射距離/ドラフトの検討図があるか
☐ 実測用のセンサー位置と校正計画を持っているか

 

8|まとめ🌈
“快適”は感覚ではなく設計変数。PMV/PPD/OTを共通言語にし、気流・湿度・放射を丁寧に扱えば、満足度↑×エネルギー↓が両立します。次回はサイコロメトリ(空気線図)で、空気を“描いて動かす”基礎を押さえます。📝

 

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